【手続きが面倒?】統計検定のCBTの申込から受験まで

統計学

こんにちは!
【中学の数学からはじめる統計検定2級講座】を執筆している,とけたろうです!

この記事では,CBT方式試験とは何か,どうやって申し込むのかを中心に説明していきます。はじめて統計検定のホームページからCBT方式試験申し込む人の中には,面倒だなと感じる人が少なからずいることでしょう。個人として受験する場合に,できるだけスムーズに手続きを完了させるポイントをまとめてみましたので,ぜひ役立ててください。

最後におまけとして,統計検定2級のCBTの攻略のポイントも書いてみました。CBT試験の内容は「言っちゃいけないやつ」ですが,ギリギリまで語ってみたのでお楽しみに!

PBTからCBTへ

統計検定の試験と言うと「大学の講義室などの広い試験会場に大人数で集まって開始の合図で一斉に問題冊子を開く」みたいなイメージがあるかもしれませんが,その形式(PBT)を2022年以降も継続するのは1級のみです。

準1級〜4級のPBTは2021年6月の試験をもって終了しました…。

チーン…。

お疲れ様でした…。

いや,ちょっと待ってください! あきらめるのはまだ早いです!

実は,準1級以下の試験は,PBTの代わりにCBTという方式で実施されています。しかも,PBTのときよりも受験できる場所と日時の選択の余地が大きく広がって,より利便性は高まっています。

CBT(Computer Based Testing)というのは,1人1台のパソコンが与えられ,パソコン上で受ける試験です。主に,日本全国のパソコン教室が試験会場となります。

CBT試験の内容については,統計検定のホームページで次のように案内されています。(リンクはこちら

試験問題はプールされている問題からコンピュータでランダムに出題されます。試験回,個人ごとに問題は異なることになります。

内容についての話は本稿の最後に回して,まずは次のセクションで申込の手順を確認していきましょう!

申込の手順

申込には次の2つの手続きが必要です。

  • 試験会場を予約
  • Odyssey IDを取得

「申込の手続きが面倒」という声も耳にします。確かに一理あるのですが,できるだけストレスなく申し込むにはどうすればいいのか,丁寧に説明するので参考にしてみてください。

試験会場を予約する

統計検定ホームページで,「受験する→CBT方式試験申込サイトへ」と進むと,Odysseyのサイトへ飛ぶので,このページを下にスクロールして,「試験会場を探す」をクリックしてください。(リンクはこちら

次に,統計検定の「都道府県から探す」をクリックします(「詳しい条件から探す」でもいいです)。

日本地図が表示されますので,自分の住んでいる都道府県をクリックしてみてください。少ない県だと会場が1か所しかないところもありますが,多い都道府県だと10〜30くらいの選択の余地がありますので,受験しやすいところを選びましょう。

会場名をクリックして,受験できる試験と日程がカレンダーで表示されていれば,その会場に申し込むことができます。

カレンダーのすぐ上にある運営会社のURLをクリックして,サイトを移動します。カレンダーをクリックしても何も起きません。

さあ,ここからがポイントです。

この先は会場(パソコン教室など)のホームページに移りますので,その運営会社によって仕様が大きく異なります。

どの会社の会場を使うかによって,申込の手間が大きく変わります。

選択の余地のある都道府県にお住まいの方は「このホームページはよくわからん」と思ったら,別の会場を試してみてください。わかりやすいホームページを用意してくれている運営会社もあります。

そして,申込の面倒くささを決める最大の要因は,ネット上だけで完結するかどうかです。会場の運営会社によっては,電話連絡や試験前に会場へ足を運ぶことを求める場合があります。また,受験料の支払いが銀行振込限定の会場もあります。正直,これは面倒です…。

一方で,ネット上で申込が完結し,LinePayなどを使ってオンラインで決済できる会場もありますので,選択の余地のある地域ならば,複数の会場を比較して決めるといいでしょう。ちなみに2級の受験料は7000円(学割なら5000円)です。

つまり,会場を選ぶ際のポイントとして,次の点を総合的に判断することになります。

  • 会場までの地理的な距離
  • 会場の運営会社のホームページのわかりやすさ
  • 申込にあたって電話をかけたり,足を運ぶ必要があるか
  • 希望する日に試験を実施しているか(これも会場による)
  • 受験料の決済方法はどのようなものがあるか

人によっては,地理的な距離の優先度を下げて,他の点を優先して決めるということもあるでしょう。

Odyssey IDの取得

統計検定のCBTは,Odyssey(オデッセイ)という会社が運営するシステムを使っています。そこで,試験の成績管理などのためにOdyssey IDを取得する必要があります。

まだIDを持っていない人は,試験会場を予約してから試験日までの間にIDを取得しましょう。Odysseyのホームページで個人情報を登録するだけなので,5分もあれば完了します。

Odysseyのホームページ(リンクはこちら)から,ログイン→新規受験者登録と進んで画面の指示に従って登録を完了させてください。

Odyssey IDとパスワードは自由に決められますが,試験当日には,このときに決めたIDとパスワードを何も見ずに入力する必要がありますので,覚えやすいIDとパスワードにしておきましょう。

受験の準備

申し込みができたら,試験当日に最大限のパフォーマンスを発揮できるように準備を進めましょう。会場までの行き方を調べて試験当日に何時に家を出るかを決めておく,なんてのは当たり前ですが,電卓とOdyssey IDを中心に少し補足します。

電卓

試験中に使うものは基本的に会場から貸し出されます。自分の筆記用具は使えませんが,試験中に使うものの中で唯一自分の所有物を使うことになるのが電卓です。

Odysseyのホームページに書かれていますが,持ち込み可能な電卓と持ち込み不可の電卓は次のようなものです。

  • 持ち込み可:四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる一般電卓又は事務用電卓
  • 持ち込み不可:上記の電卓を超える計算機能を持つ関数電卓やプログラム電卓、電卓機能を持つ携帯端末

上記のように,高度な計算機能を持つ電卓は使えませんが,少なくとも平方根が計算できる電卓を用意するようにしましょう。平方根を一発で計算できるボタンは,すべての電卓に備わっているものではありません! そのボタンがなくても平方根は計算できますが,かなり面倒です…。

また,使い方に迷うなんてことがないように,慣れていない電卓を使うのは避けましょう。試験勉強をしているときから使い慣れているものがいいですね。オススメの電卓を聞かれることがあるので一応あげておくと,必要な機能を備えていて,安くて,よく売れている次の「CASIO MW-12GT-N」はいかがでしょうか。

私が統計検定準1級のCBT試験で満点をとったときに使っていた電卓ですw

試験当日

試験当日の持ち物は、次の通りです。

  • Odyssey IDとパスワード(持ち物というより記憶する事項)
  • 写真付きの身分証(学割を利用するなら学生証)
  • 電卓

1つ目については,家を出る前にOdysseyにログインして確かめてみてください。IDとパスワードを忘れてしまうと,試験を開始できなくなります。開始前にあたふたしないためにも,間違いなく記憶するようにしましょう。

会場では,荷物は指示された場所にしまい,電卓以外の自分のものは使えません。スマホはもちろん,時計も不可です。

試験中の計算のために渡されるのは,ラミネート加工の計算用紙と水性ペンです。ラミネート加工の計算用紙というのは下敷きのような板で,2枚もらえます。そこに水性ペンで計算するわけですが,集中しすぎるとインクが袖についてしまったりするので気をつけてください。

試験に臨む態勢が整ったら,Odysseyにログインして注意事項に同意した後,自分のタイミングで試験を開始します。

試験が終わったらアンケートに回答し,すぐに結果が表示されます。受験結果の出力紙をもらったら忘れ物のないように帰りましょう。

CBT試験内容と得点アップのコツ

CBT試験の内容について,まずは形式面から説明します。

CBT試験では,画面上に1問ずつ問題と選択肢が表示されるので,自分が正しいと思う選択肢にマウスでチェックを入れて,次の問題にどんどん進んでいきます。一度パスした問題に後から戻ることもできます。

試験時間は90分で,画面上に残り時間が表示されるので,時計は必要ないわけです。

統計検定2級のCBTの問題数はPBTより少し少ないですが,ざっくり同じくらいだと思ってもらって構いません。

90分が経過するか,自分で試験を終了するボタンを押すと,アンケートの回答画面になります。数問のアンケートに回答すると,合否結果が表示されます。

さて,そろそろCBT試験の内容を具体的に語りましょうか…。残念ながら受験者には試験内容を口外してはならないという守秘義務が課せられていますので,具体的には書けないのですが。

まず,構成・難易度ともに過去問と同程度です。ツイッターを見ていると,過去問より難しいという意見を見かけますが,それは錯覚です。その受験者が解いたことのないタイプの問題が出題されたため,難しく感じたのでしょう。実は,この2つの文で結構大事なことを言っているのですが,伝わりますかね。これ以上はっきりとは言えません。

では,より具体的に,過去問と試験中の解き方について,3つのアドバイスをしておきます。これから伝えることを念頭において試験に臨むのと,そうでないのとでは試験結果に雲泥の差が生じます。ただし,小手先のテクニックを身につけて「たいして勉強していないのに受かってしまった」という状況をつくることはおすすめしないので,まずは2級の勉強をしっかりやることが大前提です。

アドバイスは,次の3つです。

①2021年の過去問は解かなくてもよい
2021年にPBTが1回実施されていることはすでに述べた通りです。解いてみればわかりますが,なかなかの良問です。作問担当者の方が必死につくったものであろうことがひしひしと伝わってきます。

そういう問題ですから,解いてみることには大いに価値があります。しかし,最小限の労力で合格したいのなら,2021年の問題は解かなくてもいいです。なぜなら,2021年の過去問は最高傑作であると同時に最高難度です。これを完全に理解することに労力を割くくらいなら,別の年度の過去問を解いたほうが効率は良いです。

実際のCBTの問題と2021年の問題との比較はしません(書けません)が,2021年は解かなくて大丈夫です(察してください)。

②問題を読んで,解答の方針が立ちそうになければ,いったんパスして次の問題に進みましょう。
試験時間の90分はおそらく多くの人にとって余裕はないはずです。知識不足や難易度の高さによって,考えてもわからない問題に出くわすこともあるでしょうから,早めに見切りをつけてください。すでに書いたように,全部解き終わってから,パスした問題に戻ることができます。すべての問題に目を通した上で,残り時間と相談して未解答のどの問題にどれだけの時間を割くのかを決めましょう。

③解き始めるより前に選択肢を見ましょう。
問題を解くためのステップは,具体的には次のようにすると良いです。

  1. ざっと問題文を読んで,何を問いたい問題なのかを把握する
  2. 選択肢を見比べて,正しい選択肢を決定するのに何が必要かを見抜く
  3. 問題文を詳細に読み直し,解答に必要な数値等を求める

ポイントは2つ目の「正しい選択肢を決定するのに何が必要かを見抜く」ところです。

正しい文章を選ぶ問題では,選択肢を見比べると「上側or下側」とか「2.5%or5%」という記述内容の違いが見てとれるはずです。問題設定を把握していれば,この簡易的な比較の時点で2択くらいに絞ることができます。あとは,1つに絞るためにはどれくらいの精度で計算すればいいのかを,残った選択肢を見て決めます。符号を見ただけで1つに決まるのであれば計算する必要がなくなることもありえます。

計算しなくても答えが決まる問題で「必死に小数第4位まで計算してました!」なんてことは避けたいですね。どうしても計算しなければいけないときに電卓をたたくという感じです。

まとめ

これから,統計検定はますます多くの人が受験することが見込まれる試験ですから,個人で申し込む場合の手続きが,申込先によって煩雑になっている現状は改善されることを希望します。

でも,この記事を読んでいただいたみなさんは大丈夫だと思いますので,試験当日に持てるすべての力を発揮できるように準備してください。

CBT試験の内容については,あまり気にしすぎることは本末転倒だと考えます。大事なのは試験に合格することよりも2級相当の知識を盤石なものとすることのはずです。過去問としっかり向き合ったほうが実力がつくので,上記のアドバイスにあまりとらわれすぎないようにしてもらえればと思います。

どうしても「本試験での得点を引き上げたい」という人で,最新の過去問集しか持っていない場合は,だまされたと思って次の2冊に取り組んでみてください。試験を受け終わったときにすべてがわかります。

「統計検定2級公式問題集2014〜2015年(実務教育出版)」

「統計検定2級公式問題集2011〜2013年(実務教育出版)」

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